寒い日や、ほっと一息つきたい夜。甘くて温かいココアは、心も体も癒してくれますよね。
でも、その一方で「ココアってカフェイン入ってるのかな?」「寝る前に飲んでも眠れなくならない?」「妊娠中や子どもに飲ませても大丈夫?」といった疑問を感じたことはありませんか?
ここでは、ココアに含まれているカフェインについて説明し、自分のライフスタイルに合わせたココアの楽しみ方を紹介します!
この記事を読んで分かること
- ココアの具体的なカフェイン含有量
- 他の飲み物との比較
- 妊婦さんやお子様が飲む際のポイント
- 夜に飲む効果と注意点
ココアのカフェインはごくわずか!でも、本当に入ってるの?
ココアは、夜寝る前などのリラックスタイムに飲むことがほとんどです。だからこそ「ココアにカフェインは入っているのかな?」と気になると思います。特に、妊娠中の方やお子様にあげる場合は、カフェインの量が心配になるものです。
結論からお伝えすると、ココアにはカフェインが含まれています。しかし、その量はコーヒーや紅茶と比べると非常に少なく、過度に心配する必要はありません。
そもそもカフェインってどんなもの?
まず、カフェインの基本について簡単に説明します。カフェインは、コーヒー豆や茶葉、カカオ豆などに含まれる天然の成分です。
主な作用
- 眠気を覚ます(覚醒作用)
- 集中力を高める
- 疲労感を軽減する
適量であれば、私たちの生活に良い効果をもたらしてくれますが、摂りすぎると頭痛や不眠、動悸などの原因になることもあります。だからこそ、飲み物に含まれるカフェインの量を把握しておくことが大切なのです。
「ピュアココア」と「ミルクココア」、カフェイン量に違いはある?
「ココア」と一言でいっても、お店にはいくつか種類がありますよね。代表的なのが「ピュアココア(純ココア)」と「ミルクココア(調整ココア)」です。実はこの2つ、カフェインの量が異なります。
- ピュアココア(純ココア)カカオ豆から脂肪分(ココアバター)を一部取り除いて粉末にしたもの。砂糖や乳製品が含まれていないため、カカオ本来の風味を味わえます。カカオマスが主原料なので、ミルクココアよりもカフェイン量は多めです。
- ミルクココア(調整ココア)ピュアココアに砂糖や脱脂粉乳などを加えて、お湯や牛乳を注ぐだけで手軽に飲めるようにしたもの。ピュアココアの使用量が少ないため、カフェイン量はピュアココアよりも少なくなります。
一般的に、カフェイン量は ピュアココア > ミルクココア と覚えておくと良いでしょう。
ピュアココアとミルクココアの違いについては、こちらでも紹介しています。ぜひ商品を選ぶときの参考にしてください!
【一覧表】ココアのカフェイン含有量を他の飲み物と徹底比較!
実際にココアのカフェイン量は、他の飲み物と比べてどれくらいなのでしょうか?身近な飲み物と比較してみましょう。
飲み物100mlあたりのカフェイン含有量(目安)
飲み物の種類 | カフェイン含有量(100mlあたり) |
コーヒー(ドリップ) | 約60mg |
エナジードリンク | 約32mg〜 |
紅茶 | 約30mg |
煎茶(緑茶) | 約20mg |
ほうじ茶 | 約20mg |
ウーロン茶 | 約20mg |
ピュアココア | 約20mg |
ミルクココア | 約10mg未満 |
玄米茶 | 約10mg |
麦茶 | 0mg |
ルイボスティー | 0mg |
表を見てわかる通り、ピュアココアでもカフェイン量はコーヒーの約1/3、ミルクココアに至ってはごく微量です。

コーヒーを飲むと目が覚めるけど、ココアではあまり感じない、という方が多いのは、このカフェイン量の違いが大きな理由です。「カフェインは気になるけど、何か温かい飲み物が欲しい」という時に、ココアはぴったりの選択肢と言えますね。
カフェインの1日の摂取目安は?ココアなら何杯までOK?
カフェインが少ないとはいえ、飲み過ぎは禁物です。1日の摂取目安量を知っておきましょう。
健康な成人の場合
日本の厚生労働省では、カフェインの1日摂取許容量を明確に設定していません。しかし、海外の専門機関では以下のような目安が示されています。
- 欧州食品安全機関(EFSA):健康な成人は1日あたり400mgまで
- カナダ保健省:健康な成人は1日あたり400mgまで
これをココアで換算すると、
- ピュアココア(1杯あたり約30mgと仮定):約13杯
- ミルクココア(1杯あたり約10mgと仮定):約40杯

ココアだけで一日のカフェイン摂取の上限を超えることは、まず考えにくいでしょうね!常識的な範囲で楽しめば、カフェインの摂りすぎを心配する必要はないでしょう。
他の飲み物や食品と組み合わせる際の注意点
注意したいのは、他のカフェインを含む飲み物や食品との組み合わせです。
例えば、朝にコーヒーを2杯(約240mg)、昼食後に緑茶を1杯(約40mg)、仕事の合間にエナジードリンクを1本(約80mg)飲むと、それだけで合計360mgになります。
これに加えて、チョコレート(高カカオ製品は特にカフェインが多い)を食べたり、風邪薬や頭痛薬(カフェインを含むものがある)を服用したりすると、知らず知らずのうちに摂取量が多くなっている可能性があります。
ココアを飲む日は、他のカフェイン飲料を少し控えるなど、1日のトータルでバランスを取るように心がけましょう。
妊婦さんや子どももココアを飲んで大丈夫?気になる疑問を解決
カフェインに特に注意が必要な、妊娠中・授乳中の方やお子様の場合について詳しく見ていきましょう。
妊娠中・授乳中の場合
妊娠中にカフェインを過剰摂取すると、胎児の発育に影響を及ぼす可能性があるとされています。そのため、各国の専門機関は妊婦のカフェイン摂取量について、成人よりも厳しい基準を設けています。
- 世界保健機関(WHO):1日あたり300mgまで
- 欧州食品安全機関(EFSA):1日あたり200mgまで
最も厳しい基準(200mg)で考えても、カフェイン量の少ないミルクココアなら1〜2杯程度であれば問題ないとする専門家が多いようです。
【妊婦さんがココアを飲む際のポイント】
- 1日1〜2杯を目安に:飲み過ぎには注意しましょう。
- ピュアココアがおすすめ:市販のミルクココアは糖分が多い傾向があります。体重管理や妊娠糖尿病のリスクを考えると、砂糖の量を自分で調整できるピュアココアに、牛乳やオリゴ糖などを加えて飲むのがおすすめです。
- 鉄分の吸収を考慮:ココアに含まれるタンニンが、食事で摂った鉄分の吸収を妨げることがあります。貧血が気になる方は、食事の直後は避けて、食間に飲むなどの工夫をすると良いでしょう。

それほど心配する必要はないでしょうが、気になる方はかかりつけの医師や助産師さんに相談してみてくださいね!
子どもの場合
子どもは大人よりもカフェインの感受性が高く、分解する能力も低いため、より注意が必要です。カナダ保健省では、子どものカフェイン摂取について年齢別の目安を示しています。
- 4〜6歳:1日あたり45mgまで
- 7〜9歳:1日あたり62.5mgまで
- 10〜12歳:1日あたり85mgまで
ミルクココア1杯(約150ml)のカフェイン量は10mg未満なので、過度に心配する必要はありません。
【子どもにココアをあげる際のポイント】
- 砂糖の量に注意:虫歯や肥満の原因にならないよう、甘さ控えめを心がけましょう。
- 他のカフェインに注意:コーラやチョコレート菓子など、子供が口にするものには意外とカフェインが含まれています。ココアを飲んだ日は、他のカフェインを含むおやつを控えるなどの配慮が必要です。
年齢は、離乳が完了する1歳半前後から、少しずつ始めるようにしましょう。個人差がるので、飲み始めは少し薄めに牛乳に溶かして、子どもの様子を見ながら飲ませてあげるようにしましょう。

子どもに飲ませるときは、調整ココアやミロなどがお手軽でオススメです。ただし、砂糖などの糖分が入っているので、飲ませすぎには注意しましょう。
夜、寝る前にココアを飲むのはアリ?ナシ?
「リラックスしたいから寝る前にココアを飲みたい。でもカフェインで眠れなくならない?」これもよくある疑問です。
リラックス効果が期待できる「テオブロミン」
実は、ココアの原料であるカカオには、「テオブロミン」という成分が豊富に含まれています。このテオブロミンは、カフェインと似た構造をしていますが、作用は非常に穏やかです。
テオブロミンの主な効果
- 自律神経を整える
- 血行を促進して体を温める
- 脳内物質のセロトニンに働きかけてリラックスさせる
このテオブロミンの働きにより、ココアを飲むと心が落ち着き、リラックスできると言われています。温かいココアは体を内側から温めてくれるので、スムーズな入眠をサポートしてくれる効果も期待できます。
カフェインに敏感な人は注意!ノンカフェインという選択肢も
ココアのカフェイン量はごくわずかですが、カフェインへの感受性には個人差があります。普段からコーヒーや紅茶を飲むと眠れなくなるという「カフェインに敏感な方」は、寝る直前に飲むのは避けた方が安心かもしれません。

どうしても寝る前に飲みたい場合は、最近増えている「カフェインレス」や「ノンカフェイン」のココアを選ぶのがオススメ!これらなら、カフェインを気にすることなく、ココアのリラックス効果だけを得ることができますよ。
まとめ:ココアはカフェインを気にせず楽しめる、心と体にやさしい飲み物
最後に、この記事のポイントをまとめます。
- ココアにはカフェインが含まれるが、コーヒーの1/3以下と非常に少ない。
- 健康な成人なら、1日に数杯飲んでもカフェインの過剰摂取になる心配はほぼない。
- 妊婦さんやお子様も、1日の目安量を守り、糖分に気をつければ楽しむことができる。
- 夜に飲むと、テオブロミンの効果でリラックスでき、安眠につながることも期待できる。
「カフェインが気になる…」という方も、ココアなら安心して楽しめそうですね。正しい知識を持って、あなたのライフスタイルに上手にココアを取り入れてみてください。温かい一杯が、あなたの心と体をやさしく癒してくれるはずです。