「ココア」とカカオ」の違い、説明できますか?同じなのか、違うのか、というところから分からないという人もおおいのではないでしょうか。
ココアとカカオは元は同じカカオ豆ですが、製造方法が違うため栄養価と風味が全く異なるんです。そこで、都合上「ココア」と「カカオ」を別のものとして扱っていることがほとんどです。
ここでは「ココア」と「カカオ」の違いについて、分かりやすく説明します!
「ココア」と「カカオ」の語源!もとをたどれば同じもの
カカオはもともと、メソアメリカ(メキシコの南半分からグアテマラ、ベリーズ、エルサルバドル、ホンジュラスの西半分一帯でマヤ文化、アステカ文化などが栄えた地)文明に起源をもつ言葉で、カカオの木の学名は「テオブロマ・カカオ」です。
これがスペインに持ち帰られて、ヨーロッパ各地で「カカオ」と呼んでいました。ところが、イギリスだけは発音が難しかったようで、カカオが訛って「ココア」と言われるようになりました。
その後日本でもイギリス読みが伝わり、定着していったので、日本では「ココア」のほうが一般的な読み方となっていると言われています。
つまり、おおもとをたどれば、「ココア」も「カカオ」も同じものだということがわかります。
「ココア」「カカオ」の区別!製造方法で呼び方が変わる!
もともと、「ココア」も「カカオ」も同じものでした。現在では、製造方法や使用方法によって使い分けをしていて、それぞれパウダー状にしたものを「ココアパウダー」「カカオパウダー」と呼ばれています。
カカオパウダーができるまで
カカオパウダーは、できるだけ栄養素を壊さないように、とてもシンプルな工程で作られます。
- カカオ豆を発酵・乾燥させる
- 低温でじっくりローストする
- 細かく粉砕して、パウダーにする
ポイントは「低温」であること。熱に弱い栄養素を守りながら、カカオ豆の持つパワーを最大限に残す製法です。
ココアパウダーができるまで
一方、ココアパウダーは飲みやすくするために、いくつかの工夫が加えられています。
- カカオ豆を発酵・乾燥させる
- 高温でしっかりローストする
- すり潰してペースト状の「カカオマス」にする
- 【重要】圧搾機にかけて、油分(ココアバター)と固形物(カカオケーキ)に分離
- 固形物の「カカオケーキ」を粉砕して、パウダーにする
ポイントは「高温」と「圧搾」。高温で香ばしさを引き出し、圧搾で油分を減らすことで、お湯に溶けやすく、さっぱりとした口当たりのココアパウダーが生まれるのです。

カカオパウダーは、カカオ豆から採れたカカオニブを焙煎して作ったカカオマスを、パウダー状にしたもの。ここからチョコレートの製造にうつります。
ココアパウダーは、カカオマスからココアバターを取り除き、残ったココアケーキをパウダー状にしたもの。ココアドリンクはここからつくられます。
ココアの製造方法については、こちらでも詳しく紹介しています。ぜひ合わせてごらんください!
【ココアの作り方】製造工程はどうなってる?カカオ豆からパウダーになるまで
ココアとカカオの違いが一目でわかる比較表
項目 | カカオ(カカオパウダー) | ココア(ココアパウダー) |
加工方法 | 低温でロースト、加工が少ない | 高温でロースト、油分を圧搾 |
栄養価 | 非常に豊富(”スーパーフード”) | カカオよりは劣るが、食物繊維などは豊富 |
味・風味 | 苦味が強く、フルーティーで香ばしい | 苦味はマイルドで、なじみ深い味 |
おすすめな人 | 健康・美容効果を最大限に得たい人 | 手軽にココア風味を楽しみたい人 |

「ココア」も「カカオ」も、もとは同じもの。でも製造方法や使い方によって、便宜上それぞれを区別しています。製造方法が違うので、味や風味も変わってきます。好みに合わせて使い分けると、楽しみが広がるでしょう。
「純ココア」と「調整ココア」の違いも解説
お店で「ココア」を探すと、2種類あることに気づきます。これも知っておくと便利ですよ。
- 純ココア(ピュアココア): 砂糖や乳製品などが一切入っていない100%のココアパウダー。お菓子作りや、自分で甘さを調整したい方はこちらを選びましょう。
- 調整ココア: 砂糖や脱脂粉乳などがあらかじめブレンドされているもの。牛乳やお湯を注ぐだけで、すぐに甘くて美味しいココアが楽しめます。
まとめ
いかがでしたか?ココアとカカオの違い、もうすっかりお分かりいただけたのではないでしょうか。
もともとは「カカオ」も「ココア」も同じももの。呼び方の違いでしかなかったのです。それが、時代につれて製造方法や使用方法によって、便宜上、区別を付けられるようになりました。
おおまかに「カカオ」「カカオパウダー」といえば、チョコレートのもと。「ココア」「ココアパウダー」といえば、ココアドリンクのもととわけられます。
実際では、こうした知識にとらわれず、自分の好みに合わせて、また料理のレシピに合わせて、使いわけをしていくことで、楽しみ方もたくさん増えていくでしょう。